2022年9月7日、ADHDとASD両方の傾向をもつ発達障害だと診断を受けました。
お勉強だけは出来るタイプだったために、他人から高い能力を期待され、結果「なんでこんなことも出来ないの?」と聞かれ続けた人生でした。
30歳まで残り3ヶ月を切ったところで、自分の中のフシギへの答えが出て、なんだかスッキリしました。
今回は、発達障害を疑ってから診断を受けるまでの思い出と、得られた診断結果を、備忘録がわりに書いていこうと思います。「発達障害かもしれないなぁ」と思いながらも、次のアクションに悩んでいる方の参考になれば幸いです。
勉強は出来たから、発達障害じゃないと思っていた
自慢に聞こえたら申し訳ないのですが、私は、大阪大学大学院の基礎工学研究科を卒業しています。勉強は出来る子だったのです。おっちょこちょいだったり、運動が苦手だったりはするけれども、真面目ないい子として生きてきました。
今更ちゃんと検査を受けようと思った大きな理由は2つあります。
- 次の仕事では「自分のことをきちんと説明したい」 と思ったから
- 夫に「自分は何がどう苦手なのか」きちんと伝えたいから
「いわゆる大人の発達障害だと思うんです」ではなく「自分は〇〇が得意で△ △が苦手な発達障害なんです」と明確に自分のことを説明できるようになりたい、と思ったんです。
WAIS-Ⅲの備忘録
主治医にお願いして、WAIS-Ⅲを受けてみました。
そもそもWAIS-Ⅲとはなんだ?という方のために、簡単に説明します。
WAIS-Ⅲとは?
日本文化科学社より引用 https://www.nichibun.co.jp/seek/kensa/wais3.html
Wechsler Adult Intelligence Scale – Third Edition(略称 WAIS-III)
WAIS-III成人知能検査は、16歳〜89歳までの成人の知能を測定する個別式知能検査です。
3つのIQ(言語性IQ、動作性IQ、全検査IQ)と4つの群指数(言語理解、知覚統合、作動記憶、処理速度)を算出します。
費用など概要
WAIS-Ⅲの費用は450円でした。自立支援制度を利用できたため1割負担で済んだようです。助かりますね。
試験時間はおよそ2時間ほど。8月17日に受け、3週間後の9月7日に結果を受け取りました。
試験内容
試験内容は・・・覚えているのですが、これから受けるかもしれない方がいるといけないので、詳細を書くのは控えます。
- 言葉の意味を答えるテスト
- 暗算テスト(口頭)
- 図形テスト
- 処理能力を測るテスト
- 物語を順番通り並べるテスト
- 聞いた数字を逆から言うテスト
正直、WAIS-Ⅲを受ける前は「苦手なことでもある程度は誤魔化せちゃうのでは・・・?」と思っていました。が、得意なことを出来ないフリはできても、苦手なことを誤魔化すことは出来ませんでした。
WAIS-Ⅲの結果は?すべて見せます。
受け取った結果はこちらです。
結果をまとめるとこのようになります。
得意:言語理解、処理速度
苦手:作動記憶、知覚統合
その他:中枢性統合が弱い、日常生活における視覚情報の読み取りがやや苦手、マルチタスク苦手、時間制限がない場面では抽象的な視覚情報の処理能力が高い、語彙力が高い
自分の得意分野と苦手分野の差を数字で見ると、自分の能力には凹凸があるとよく分かりました。秀でている方の能力を使って、苦手なことをカバーしている・・・なんてこともありそうです。
苦手分野で言えば・・・マルチタスクが苦手なことはもともと強く自覚していました。
例えば「右手でスマホを触っていたら、左手で握っている水筒のことを忘れて、左手に力を入れられず水筒を落とす」とか。「料理中、砂糖1、みりん2、酒2・・・と入れたいのに、どこまで入れたか忘れる」とか。数を数えるのも苦手です。
事故を起こしたことがあるかとか、そういうレベルではないのですが、なんというか不便です。
仕事でも、いちいち作業をやり直すことになり、毎度時間がかかるので、先輩にイライラされやすいです。(そしていじめられる・・・)
これまで、「効率的に仕事をしたい!」とか「マルチタスク人間になりたい!」と色々試してきましたが、全く効果がなかったのも、もともと超苦手だからなのでしょう。目標を「シングルタスクを早い処理能力でこなしていく人間」に切り替えます。
発達障害だと分かって、今後どうするか
正直なところ、日々の生活で大きく変えるところはないかなぁと。フリーランスになって正解でした。
苦手な家事に対しては、「どうやって(どう努力して)出来るようになるか」ではなく、「どう工夫して出来るようにするか」を考えていこうと思っています。
仕事では、以下の5つを気をつけてみます。
- 自分の良い状態を保つ方法を見つける
- 雑念が多いとき、振り払う方法を見つける
- マルチタスクにならずに済むよう、タスクの細分化を意識する
- 耳からの情報伝達しかない状況を、可能な限り避ける
- 理解できない契約は結ばない
雑念との戦いや、自分の調子を見極める方法としては、アナログな手法が自分に合っていそうです。ADHDの方が確立された「バレットジャーナル」という手帳術があり、自己管理にもメモにも使えて便利そうなので、色々お試ししていきます。
また、福祉のお世話になれるかどうかも検討していきたいです。
具体的には、手帳3級を取るかどうか悩んでいます。苦手な家事を夫に任せてばかりですが、夫の負担が大きすぎるため、ヘルパーさんにお願いできるのかな、とか・・・。まずは調べるところからですね。
(悩み)発達障害だと家族にどう伝えるか
目下の悩みは、「母への伝え方」です。
母は過保護なところもあり、私が発達障害だったと伝えると「自分の育て方が悪かったのでは?」と落ち込んでしまいそうです。(育て方との相関はないはずです)
誰だって、自分の子供が「障がい者」とは認めたくないですよね。その心理も分かるので、伝え方には気をつけていこうと思います。
もちろん、ずっと黙っておくことも出来るのでしょうが、治療で薬を飲んだり、福祉のお世話になったり、と、どこかで「バレる」可能性はあると思っています。人は隠し事があると、余計気になってしまうものですからね・・・。
バレる→公表する、の方が母へはショックが大きそうなので、なるべく自分の口から伝えるようにしたいなぁと思っています。
まずは母に正しい知識を得てもらうところからですが・・・私も勉強になった漫画を「リエゾン」「Shrink」を、まずは薦めてみようと思っています。内容もわかりやすく、偏見もなく、優しい気持ちになれる漫画です。
パートナーや家族に、精神疾患に関して正しい知識でリフレーミングしてほしいなぁ・・・と考えている方にはおすすめです。
まとめ、のようなもの
今回は「発達障害だと診断されてすぐ」の気持ちや考え、診断の内容などを、備忘録がてら書いておきました。
自分の取説ができたようで、少し気が楽になりました。迷っている方がいたら、受けてみても良いのでは?と思っています。デメリットは試験時間がやや長くて疲れることと、費用がかかることくらいです。
今後は、自分に合った仕事の進め方や、家事との付き合い方、家族への伝え方、自己管理の方法などを試していきます。
ブログでは、「実際に試してみて、これはここが良かった!」「これはここが自分には合ってないと感じた」など、当事者ならではの具体的な情報を発信していければなぁと思っています。良ければまた他の記事も開いてみてくださいね。