研究室見学に行ったときや、研究室配属の直後、気になるのは「この研究室がブラックかどうか?」ですよね。
「ここの研究に興味がある!」「研究を頑張りたい!」「アカデミックに進みたい!」というような上昇志向で研究室を選ぶ人もいますが、なるべく楽な研究室を選びたい人も多いはず。
今回は、大阪大学の所属学科の中で1,2位を誇るブラック研究室出身の私が考える、ブラック研究室の簡単な見抜き方についてご紹介します。
ブラック研究室の定義は様々ですが、今回は「徹夜が当たり前」「研究室に泊まっている」「先生が厳しすぎる」「理不尽な環境」をブラック研究室の定義とします。
「徹夜が当たり前」「研究室に泊まっている」編
1. 居室の流し場に男性用歯ブラシと歯磨き粉が複数置いてある
まずは徹夜することがあるか簡単に見抜く方法をご紹介しましょう。それは「流し場に歯ブラシと歯磨き粉があるかどうか」です。
食事の後に歯磨きをする女性は多いですが、男性ではかなり珍しいでしょう。しかも、身だしなみを整える必要があまりない研究室です。この歯ブラシは、昼食後に使われたものではなく「夜(研究室で)寝る前に使われた」と考えるのが妥当でしょう。いくら男性とはいえ、歯磨きをせずに寝る人は少ないですからね。
歯ブラシが複数本あるということは、家に帰らない変わり者がいるのではなく、当たり前に徹夜する人が何人もいる研究室ということです。周りに洗顔料があればさらに確実ですね。泊まってます。
2. マイシャンプーを保管している人がいる
続いてのブラック研究室を見抜くアイテムは「マイシャンプー」です。
学部によっては、棟の中に共用のシャワールームが備えられていることもあります。(緊急用シャワーのことではありません)
運動の後シャワーを浴びることもあるでしょうが、マイシャンプーを研究室に常備しているとなると、かなりの頻度で研究室に泊まり、共用シャワーを利用していることが予想されます。
ただ実験の都合で「その日の夜は帰れない(=終夜実験)」程度なら、シャワーを浴びる必要はないでしょう。次の日に家に帰ってお風呂に入れば良いことです。学校でシャワーを浴びざるを得ない状況というのは、あまりに余裕がなくて次の日も帰れないということです。
研究室で実験をしていると「夜に実験をせざるを得ない」状況は多々あります。重要な装置の数が限られていると、昼間ではなく夜に実験をした方が予約も空いているし静かで集中できるからです。
よって、夜に実験をしているだけではブラックとは言えません。「夜中に実験をした人が次の日もふつうに朝から夜まで研究室にいる」となると、ブラック研究室の可能性が高くなってきます。
3. 共用の寝袋がある
寝袋があるだけでは、家が遠くてただ帰っていない人がいるだけという可能性を捨てきれません。ただ「共用の寝袋」となると話は別です。
研究室の忙しい時期は人によって違うことが多いです。雑誌会(論文紹介)や、研究報告の担当は順番に回ってくるので、それぞれ直前時期にものすごく忙しくなります。
順番に忙しくなるので、寝袋は人数分必要なわけでなく、2、3個あれば十分です。しかも忙しい時期なので、睡眠時間は数時間の仮眠程度となると思います。
もちろん、大きい机の上や椅子を並べた上でも寝ることはできますが、忙しい時期であれば短時間でより体力を必要できる寝袋で寝る方が良いのでしょう。
ここからは徹夜系のブラックではなく、先生が理不尽だったり無慈悲だったりするタイプのブラック研究室についてです。先輩方から直接聞くこともできますが、状況証拠を使って自分で見抜く方法をお伝えします。
「先生が厳しすぎる」「理不尽な環境」編
4. 壁に謎の穴や亀裂がある
これはもうほぼ間違いなくストレスが原因です。先生と研究についての相談にした後、あまりの怒りに壁を殴ったり蹴ったりした跡と推察して間違いないでしょう。
どれだけ先生が理不尽でも、先生に向かってそれをぶつけるのは難しいものです。その怒りはおそらく、物にぶつけられているはず。歴代の先輩が作った怒りの跡地が研究室に多くあれば、きっとその研究室はブラックです。
ただ、先生には異動もありますので、その怒りの対象が既にその研究室にはいないという可能性もあります。きちんと確認しておきましょう。
5. 先生のことを、裏でも「〇〇先生」などあだ名を使わず呼んでいる
学生間でも先生のことをあだ名ではなく「〇〇先生」と呼んでいるのは、先生と心の距離がある証拠です。
365日そばにいる先生にあだ名の一つも付かないということは、かなり先生との距離がある=先生が厳しすぎる可能性が高いです。学生と先生の距離を測る一つの方法と言えるでしょう。
もちろん、尊敬の意が強すぎる可能性もありますよ!
まとめ
ブラック研究室を見抜く方法を5つご紹介して来ました。どれも研究室見学で見つけることができる物的証拠ばかりですので、どうしてもブラック研究室に入りたくない人はぜひ注目してみてくださいね。
ただ、ブラック研究室も悪くありません。私はなんだかんだブラック研究室に所属して良かったと思っています。かなり密度の濃い時間を共に過ごした同期・先輩・後輩とは一生良い仲間です。社会人生活でも、辛い経験が糧になり、辛いことにも耐えられました。
うっかり既にブラック研究室に入ってしまった人や、興味のある研究がブラック研究室にしかない人は、勇気を出して積極的にブラック研究室を楽しんでみてはいかがでしょうか。