印刷業界は「やばい」の?元社員が正直告白!

印刷業界はやばいってほんと?元社員が正直告白!
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就職や転職を考えたとき、自分の志望先がどんな業界かどうか気になりますよね。特に、印刷業界はやばいとかブラックだとかネガティブな噂が多く、不安になります

今回は、印刷業界で開発職として働いていた私が、印刷業界の内情を踏まえながら「印刷業界はやばいのか」という疑問に答えていきたいと思います!

私が働いていたのは、印刷業界トップ5にも入るような一部上場企業でした。
印刷業界は現在、トップと呼ばれる企業と中小企業では事業内容も今後の方向性もかなり違ってきています。
どちらが正解とか良いとかいうことではありません。
中小企業への就職や転職を考えている方には当てはまらない部分もあるかもしれませんので、ご了承ください。

印刷業界はやばいってほんと?元社員が正直告白!
目次

印刷業界がやばいのはブラックだから? やばいと言われる理由を解説

印刷業界がやばいと言われるにはいくつかの噂や理由があります。それぞれの噂や理由について、元社員の私が、正しいか正しくないか判断していきます。

残業が多いから

印刷業界がやばいと言われる理由に、まず残業の多さが挙げられます。

印刷業界は全体的に、残業が多い傾向にあります。その大きな原因はBtoB企業なため、クライアントの都合に合わせて仕事を進めなくてはならない点が大きいように思います。

特に、デバイス事業に力を入れている会社では、クライアントが世界的大企業になることもあります。世界トップレベルのスピードでの開発が求められるため、残業になってしまうのです。

クライアントから満足してもらい、継続的に受注ができれば会社全体が潤うので、企業側も三六協定に反しない範囲で社員に働かせているのでしょう。

私も一時期、(名前は出せませんが)誰もが知っているIT企業向けの製品を開発していた時期がありました。
シリコンバレーの方々が期待する開発スピードはかなり速くて大変でした。
開発がうまくいかなくても期日までに結果を出さなくてはならないストレスはとにかく「やばい」です。

ストレスが多いから

印刷業界がやばいと言われる理由の2つ目にストレスが多いことが挙げられます。

印刷業界でストレスが多く、高いストレス耐性が求められていることは、四季報を見ても分かります。トップ2企業である凸版印刷や大日本印刷では「ストレス耐性」が必要だと書いてありませんか?(私が就活生の時代には、少なくとも書いてありました)

どんな仕事にもストレスはつきものですが、四季報で書かれるほどとなると、相当ストレスが多いのだろうと予想できますよね。

実は、webテストを受けた後に「ストレス耐性が低すぎる」ことを理由に落とされたことがあります・・・。
私のストレス耐性が異常に低いことも原因でしょうが、会社としてストレス耐性を重視していることは間違いないようです。
今は変わっているかもしれませんけどね。

過酷な環境が多いから

印刷業界がやばいと言われる理由の3つ目は、環境が過酷なことです。

印刷業界の中でも、現場仕事ではインク(=有機溶剤)を使うため健康への被害は大きいと言えます。

インク自体は安全でも、インクを洗い流すための溶剤が健康被害が大きい化学物質だったりします。現場の作業員は、労働安全衛生法に従って吸い込まないための工夫を多数行っていますが、吸入量はゼロとは言えません。

さらに、ロールを使った装置も多いため、巻き込み事故も起こりやすいです。最悪の場合、腕を失ったり亡くなったりすることもあるため、危険性は高いと言えるでしょう。(もちろん、どんなにめんどくさくても手順に沿って使えば危険はありません!)

印刷業界がやばいのは将来性のなさ? 印刷系中小企業がやばい理由を解説

次に、印刷業界のなかでも中小企業クラスの会社の場合を解説します。会社の規模が違っても、印刷業界はやばいと言われてしまうのはなぜなのでしょうか?

低価格化競争が進んでいるから

中小企業であっても印刷業界がやばいと言われる理由の1つ目は、低価格化競争が進んでいるからです。

特に「ラクスル」などのネットプリントが登場したことにより、低価格化競争が進んでしまっているのです。薄利多売や低価格化競争はデフレ構造となり、どこかでこの競争から抜け出さなければ、会社は疲弊し続けることになってしまいます。

現在、日本でトップの印刷会社と呼ばれている会社は全て、このデフレ構造から脱却できた会社なのです。

デフレ構造から脱却しているかどうか見抜くポイントは「印刷業以外の事業展開をしている」「付加価値の高い、特殊な印刷技術を行っている」かどうかです。

私が働いていた会社でも「印刷業以外の事業展開(=ITやデバイス関連、医療関連)」「付加価値の高い特殊印刷」を進めていましたよ。
事業展開をする上では、印刷の強みを生かしつつ、アップダウンの少ない業界へ展開し、強めていくことが重要だと言われていました。

修正・納期に追われやすいから

中小企業であっても印刷業界がやばいと言われる理由の2つ目は、修正指示や納期に追われやすい仕事だからです。

印刷業界では、受注先となる取引先となる「出版社」「広告代理店」「クリエイティブ業」がそもそもブラックな職場が多いです。

ブラックな環境やペースに合わせて仕事を進めなくてはならないため、印刷業界もブラックな働き方になってしまうのです。

印刷業界の年収は?

印刷業界はやばいと言われがちですが、給料は高い企業が多いです。四季報の2019年のデータは以下の通りです。

大日本印刷…712万円(41.6歳)
凸版印刷…691万円(42.0歳)
NISSHA…662万円(40.4歳)
共同印刷…598万円(42.8歳)

データ出典:「会社四季報」業界地図 2019年版

これらは今回印刷業界のトップ会社として紹介した企業です。中小企業ではもう少し年収が下がるでしょう。

大学院卒で開発職をしていた私の年収はおよそ400万円くらいでした。1〜3年目で400万円なので、今後役職が付いたらもっと上がるんだろうなぁと期待していました。
ボーナスは会社の事業部の業績に応じて入るので詳しくは言えませんが、ボーナスの入る月は給料2倍という感じでしたね。もちろんこれも4年目以上ならもっと上がっていたと思います。

印刷業界の今後は?

印刷業界の今後は「やばい」と言えるのでしょうか?

印刷業界全体で見ると、将来性の低い業界だと言われています。活字離れとデジタル化により、右肩下がりになることは間違いないです。(詳しくはこちらの記事に書きましたので、興味があればご覧ください)

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ただ、トップ企業では話は別です。デジタル化に力を入れている企業もあり、拡大させた「印刷以外の業界」の発展次第では、今後も右肩上がりの成長が見込めるでしょう。

今後、印刷業界に進みたいと考えるならば、トップ企業への就職・転職を狙った方が良いと私は考えます。
もちろんある程度は忙しいですが、世界のトップ企業と仕事をするチャンスもあります。

長期休暇もきちんとありますし、有給も取りやすく、育休後に復帰して、仕事と育児を両立する女性社員も多かったです。
結婚で退職してしまいましたが、正直辞めたくなかったです・・・。

まとめ

印刷業界がやばいと言われがちな理由についてまとめました!

大企業(トップ企業)の場合

  • 残業が多い
  • ストレスが多い
  • 過酷な環境が多い

中小企業の場合

  • 低価格化競争が進んでいる
  • 修正・納期に追われやすい
  • トップ企業なら、年収の平均は40代前半で665.8万円
  • 印刷以外の業界にも事業を拡大させた企業なら、今後も発展が見込める
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